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ザリガニ捜索隊の成果は?? 第13回つまり市民里山学会

2023年11月28日 11:31更新

生き物の目線で妻有の環境を語る!

アメリカザリガニの駆除や、絶滅危惧種ホトケドジョウの生息環境の保護など、市民が携わった研究や調査の成果を発表する「つまり市民里山学会」が25日(土)、十日町情報館視聴覚ホールで開かれました。

この催しは妻有地域の自然や文化、歴史など、市民が行っている研究や調査活動の成果を発信しようと、森の学校キョロロが開いています。

13回目の今回は、自然を子どもたちの学びの場にしようと吉田地区で活動している「里山笑躾(さとやまわらび)」や、津南町の杉を使ったアロマオイルを加工販売しながら森林保全をしている「森の三方よし(もりのさんぽうよし)」の活動など、5つの団体が発表しました。

このうちキョロロの研究員、大平創さんは「とおかまちザリガニ捜索隊の成果と課題」と題して今年取り組んだ、外来種のアメリカザリガニの捕獲駆除や生態調査の成果を発表しました。

ザリガニの生態について

「実はザリガニが池に入ると、水草を全部切って無くす。その影響で水質が悪化し、植物プランクトンが一気に増えるので緑に濁った池になってしまう。こうなるとほかの生き物が住めなくなり、水草などの植物も生えてこなくなってしまう。アメリカザリガニが水源地帯1平方メートルあたりに1匹入ると米の収穫量が40%も落ちる」

活動はキョロロ周辺の3つの池で4月から週に1回、キョロロ友の会に所属する子どもたちと一緒にザリガニを捕獲し、数や生態を調べました。その結果、11月24日(金)の時点で、延べ約1000匹のザリガニを捕まえることができました。

またザリガニの産卵時期は主に春ですが、地域や環境によって時期がずれる場合があります。今回、メスの生殖器を調べたところ、夏に卵巣が発達していていることがわかりました。この結果をもとに、妻有地域のザリガニは夏の終わりごろに産卵するのではないかと考察し、今後の駆除活動につなげていくということです。

今後の課題

「ザリガニがもともと少なかった池は、数が減ってきたので効果があったが、多かった池はまだ変化が見られない。努力量を増やさないとザリガニは減らないと思っている」

キョロロの研究員 大平創さん
「これだけやればけっこう減るのではないかと思っていたが全然減らない。いろいろな課題も見えてきたので難しさを痛感している。来年以降も続けてなんとかしていきたい」

また十日町高校の生物部は、県の絶滅危惧種に指定されているホトケドジョウの今後の保全について発表しました。

生物部の生徒は、2021年に市内の田んぼの畔にホトケドジョウが生息しているのを発見しました。しかし、その生息地はほ場整備で埋め立てられる計画が出ていて、環境が損なわれる可能性が高まっています。

生物部と共に研究

海洋高校 馬場吉弘 教諭(ことし3月まで十日町高校生物部の顧問)
「代わりの水路を作る事を検討してもらっているが、その水路はコンクリートで少しへこみをつけた水路で100mほどの短い距離。ホトケドジョウは湧き水が必要だが、湧き水が入るかは分からない。通常通りの工事が行われれば、この場所のホトケドジョウは絶滅する。この先、生息域外保全をやらざるを得ない状況に追い込まれている。いい解決方法が見つからず困っている」

「ホトケドジョウなどのお金にならない小魚は軽視されがち。人間の都合でコンクリート化されてしまい、魚たちは生息地を追われている。もう少し人間側が愛情を持って、全部を魚たちから奪わずに一部を残してあげないと、こういう生き物は全部絶滅してしまう。多くの方がどういう風にしていけばいいか考えていってほしい」

来場者
「絶滅危惧種が絶滅しそうだという切羽詰まるような現場の声が聞けてとてもよかった」

キョロロ学芸員 小林誠さん
「地域の自然を守っていく時に、調べ方や課題、方法を共有して、この学会が地域を守る時の一助になればいい。妻有地域の自然文化は宝物。地域の人が自分事として、地域の宝物に気づいて、発信して、守っていくプレーヤーになってもらえればこの会の意義がある」

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