2023年12月21日 17:29更新

甘いお金の話は、アウト・オブ・眼中！

松之山出身の漫画家、しげの秀一さんの人気漫画「頭文字D」の原画を使った特殊詐欺の被害防止を呼び掛けるポスターが完成し、19日（火）に十日町警察署で報道陣に披露されました。

これが特殊詐欺被害の防止を呼び掛ける特製ポスター2枚です。どちらも峠の走り屋たちをテーマにした講談社の人気漫画「頭文字D」の原画をもとに作られていて、大きく「特殊詐欺根絶」と書かれています。

一枚は漫画の主人公、藤原拓海が「トヨタAE86（ハチロク）」と共に、バイト先のガソリンスタンドにたたずむイラストです。

主人公のセリフ『とにかく絶対‼このクルマで勝ちたいんだ！』をもじり、『とにかく絶対だまされないで』と記されています。

もう一枚は、藤原拓海がハチロクのボンネットを開けているイラストです。主人公と敵対する相手が放ったセリフ『ハチロクなんかに乗ってる奴ァ、アウト・オブ・眼中！』をもじり、『甘いお金の話はアウト・オブ・眼中！』と記されています。

これらのポスターは増えている特殊詐欺の被害を防ぐため、インパクトのある掲示物を作ろうと、十日町警察署が独自に、頭文字Ｄの作者で松之山出身のしげの秀一さんと出版元の講談社に依頼して実現しました。

今回のポスター完成に対し、しげの秀一さんは「十日町は大切な故郷ですから、特殊詐欺という高齢者を狙った卑劣な犯罪に立ち向かう活動の一環に微力ながらも、こんな形で参加させていただける事は大変幸せなことであります。想像していたよりも洗練されたすばらしいデザインのポスターに仕上げていただきました」とコメントを寄せています。

十日町警察署によりますと特殊詐欺の被害は去年は3件で被害額は440万円でした。今年は10月までに5件で被害額は96万円5000円となっています。さらに今月12日には市内の80代男性が特殊詐欺で110万円をだましとられたほか、トラブルを大ごとにしたくないと、警察に届け出をしないケースもあり、被害件数は増加傾向にあるということです。

十日町警察署 山岸信行 署長
「地元出身の著名な漫画家なので、注目度も高くなる。ポスターには『電話やメールでのお金の話は詐欺を疑って』と記されている。お金の話は詐欺を疑い、まずは行動するのではなく、冷静に考えて家族や警察に相談してほしい」

ポスターは300部ずつ作られ、十日町市、津南町の官公庁や金融機関、スーパー、ガソリンスタンドなどに配付され、掲示されることになっています。