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松代の耕作放棄地をマイ田んぼに「チーム用賀」がコメ作りに挑戦

2024年05月08日 17:28更新

松代地域の耕作放棄地だった水田で今年度、地域間交流を続ける東京都世田谷区の地域コミュニティ「チーム用賀」がコメ作りに取り組むこととなりました。4日(土)はキックオフイベントとして田植え前の水田に残る植物の「ガマ」を取り除く作業に汗を流しました。

「チーム用賀」は東京都世田谷区にある総勢2000人を超える地域コミュニティです。松代地域と世田谷区が30年以上にわたって地域間交流を続けている縁から、チーム用賀に所属する数人のメンバーが3年ほど前から、松代地域のコメ作りにボランティアとして関わるようになってきました。

今年度は耕作放棄地だった約700㎡の水田2枚を地元の人から借り受け、「チーム用賀」として復田し、コメ作りを行うことになりました。田植えや稲刈りはもちろん、除草や水の管理も地元の人は極力手をかけず、チームのメンバーで分担します。

企画した世田谷区出身で、地域おこし協力隊の星 裕方さんはチーム独自の水田を持つことで、本当の意味で農業者不足を補う関係人口の増加がかなうと期待を寄せています。

十日町市地域おこし協力隊 星 裕方さん
「通いながら農業をするという人が東京を含めた都市部にはものすごくポテンシャルがあると思う。いきなり移住は難しいので東京に住みながら週末に来たり、ワーケーションで平日にリモートワークが出来る人は1~2週間こっちで作業しながら、昼閒は農作業をするという形で、行ったり来たりしながら農業が出来るといいと思っている」

チームの水田はメンバーの宿泊所となる松代棚田ハウスのすぐそばにあります。この日は活動の第1弾として、耕作放棄されていた時に生い茂っていたガマの根を取り除こうと、17人が集まり、除草作業とエクササイズを兼ね合わせた「ジョソササイズ」に汗を流しました。

チーム用賀の参加者
「ガマは土の中に埋まっているので、掘り当てて、たぐり寄せて探すのが大変。ぎっしり詰まっていると思うので2時間でどれだけ出来るか頑張ってみる」

チーム用賀の参加者
「わんさか取れている。時々力を入れて抜かないといけないところもあって大変だが気持ちがいい。日頃運動不足なのでジムに行くのは気が乗らないが、こういうところで体を動かすことは私には合っていそう」

また、チーム用賀はこれまで星峠や儀明の棚田の完全無農薬栽培のボランティアを手伝ったことはありますが、今回のコメ作りではメンバーが稲の管理に訪れる機会をできる限り減らすことと、隣接する田んぼに害虫や疫病を蔓延させないことを考慮し、自然環境に優しい農薬を使った減農薬栽培を取り入れます。いもち病などに効果がある微生物由来の農薬「タフブロック」と、カメムシ対策として「ニーム」というハーブを原料にした虫よけを使う予定です。

チーム用賀の参加者
「私はぜひ無農薬でやりたいと思っているが、今回お隣の人との関係もあるので減農薬で一定の成果を上げられたらゆくゆくはまた無農薬に挑戦したいと思っている。次は田植えがあって除草があって1年を通して一緒に成長を見られるので楽しみにしている。田んぼに足を突っ込んで、大地と触れあうのは、すごく楽しい体験なので1人でも多くの人に体験してもらいたいと思う」

チーム用賀の参加者は、ボランティア以外は耕作会員として1口1万円の年会費を払っていて、秋に収穫されたコメは販売はせず、口数に応じて会員に分配されるということです。

十日町市地域おこし協力隊 星 裕方さん
「体験だけだと広い意味での関係人口になるかもしれないが、そうしてもお客様的な活動にしかならないと感じた。これからはもっと都会から来る人たちが自分たちで主体的になって、田んぼと関わってくというような関係作りを今年1年通して作っていけるといいと思っている」

星さんはこのプロジェクトを成功させて、今後全国にある法人も棚田保全活動に誘致したいと考えています。なお、チーム用賀の田植えは6月1日の予定です。

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