2024年06月14日 17:08更新
約13年にわたってひきこもりを経験し、現在はイラストやエッセイを手掛けるアマチュア作家、尾身多恵子さんの自身2回目となる個展が、十日町市市民活動センター「十じろう」で16日(日)まで開かれています。
尾身多恵子さんは十日町市鉢出身のアマチュア作家です。大学を中退後に約13年にわたってひきこもりを経験しましたが、小さいころ好きだったアニメや同人のイラストを描くことが周りに認められ、市内のひきこもり支援団体「フォルトネット」をはじめ、様々な団体からイラストの掲載や寄稿を頼まれるようになり、社会復帰につながりました。
今回の個展はその足跡を辿る作品展で、会場には人物や動植物などをモチーフにした水彩画など約30点が展示されています。尾身さんは母親を亡くして以降の過去5年ほどの間で、人物や風景を織り交ぜた日常のシーンを積極的に描くようになりました。その中でも、写真を基に尾身さんの両親と愛猫が仲睦まじく過ごしている様子を描いた作品は見る人の心を和ませてくれます。
尾身 多恵子さん
「作品ひとつずつが全部自分なので、私はこういう人間ですっていうの見せたい。この個展の準備も次々とアイデアが浮かんで楽しかった。絵を描くことは感情表現。引きこもっていた頃はどこにも感情を出せず、絵に気持ちを書いて出していた。けど今は違う。とにかく見たまま描きたい絵を描いている」
このほか会場には、ひきこもりの頃の経験や思いを言葉にしようと、近年手掛けるようになったエッセイの全文が展示されているほか、約19㎏の減量を達成したダイエットのやり方や記録、日々練習しているデッサン帳なども展示され、尾身さんの人柄がわかる個展となっています。
尾身 多恵子さん
「社会に出るまではすごい時間がかかり、そのあともパソコンやネットだけじゃわからないことが現実にいっぱいあって、それを経験して大変なこともあったけど、今はなんとかと楽に生きれるようになってきた。作品を見た人には、世の中には楽しいことがいっぱいあるので、楽しいことやりたいことをどんどんやってもらいたいと思う。やれない理由があれば、その理由も含めてどうやったらできるかを考える、きっかけになってくれればうれしい」
尾身多恵子 作品展
6月14日(金)~16日(日) 9:00~20:30
十日町市民活動センター「十じろう」1階市民ギャラリー(十日町市本町3丁目6-4)
入場無料
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