2025年01月30日 16:04更新
十日町市の指定文化財で下条地域発祥の民謡「新保広大寺節」の保存会が3月に東京都で開かれる「地域伝統芸能まつり」に出演します。本番まで残り1か月を迎え、歌と踊りの通し稽古に熱が入っています。
「地域伝統芸能まつり」は日本各地に残る芸能を紹介し地域を活性化しようと、一般財団法人地域創造が毎年開いているものです。今年は「源」をテーマに、全国の約130の候補から選ばれた8演目の伝統芸能や古典芸能が上演されます。
ここに下条地区発祥の民謡「新保広大寺節」が市内から初めて選ばれ、保存会のメンバー27人が歌と踊りを披露することになりました。地域伝統芸能まつりは今回で25回目を迎えますが、一定の役割を果たしたとの理由で最後の開催になることが決まり、新保広大寺節がその舞台に華を添えることになります。
藤巻誠 会長
「約200年も伝わった伝統芸能を最後となるイベントで、NHKホールで披露できることを誇りに思っている。3月2日に向けて気持ちもそろってきたし、稽古の質も上がってきて喜んでいる」
「新保広大寺節」は江戸時代中期に下条地区の「広大寺」と織物問屋の「最上屋」が信濃川にある中州の所有権を争った時に、最上屋が広大寺への悪口を歌にしたことがきっかけで生まれました。その後全国に広がって、「津軽じょんがら節」など各地の日本民謡のルーツになったともいわれ、現在は十日町市の無形民俗文化財に指定されています。
保存会では年間を通して毎週練習に励んでいて、6種類の踊りを継承しています。このうち、今回のステージでは飾りがついた棒を使う「細広大寺」、くるくると回るかさを両手に持つ「新保花笠」、手踊りの「新保広大寺」の3種類を披露します。
本番まで約1か月となった29日(水)は、実際のステージを想定した通し稽古が初めて行われ、音楽を担当する地方(じかた)と踊り手が汗をにじませながら練習に打ち込みました。
山田利明さん
「今92歳。踊り始めたのは昭和23年のお祭りで、高校2年生の時。好きで踊り続けてきた。今はみんなが上手になってきていい」
小宮山紗理さん
「今27歳。中学生の時から保存会に入っていてずっと続けている。地域のつながりを感じられる場所だと思っている。約2500人のたくさんの人の前で踊ったことがないので頑張りたい。歴史を感じてもらいたい」
踊りの女性チームリーダー 村山圭子さん
「素朴な踊りだが力強さがあって機敏な踊りを目指している。光栄に思っているし、NHKホールで踊る機会もないので皆さんが意気込んでいる。特別練習も設けて一生懸命やっているので、いいステージができると思う」
地域伝統芸能まつりは3月2日に東京都渋谷区のNHKホールで開かれます。
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