2025年05月21日 17:16更新
安吾の世界に酔いしれる!
松之山地域にゆかりがある新潟市出身の小説家、坂口安吾の作品朗読や生前のエピソードを語り合うイベント「坂口安吾まつり」が17日(土)に大棟山美術博物館で開かれ、県内外からファン約30人が訪れました。
坂口安吾は太宰治や石川淳などと共に無頼派の作家として戦前から戦後にかけての昭和初期に活躍した新潟市出身の小説家です。終戦直後に発表した「堕落論」や「白痴」をはじめ、純文学から評論・随筆まで200以上の作品を発表しました。
今年は安吾の没後70年の節目にあたります。坂口安吾は姉が嫁いだ松之山地域の村山家に度々訪れて執筆していて、作品の「黒谷村」や「逃げたい心」などは松之山が舞台となっています。その村山家の邸宅は現在、大棟山美術博物館として一般公開されていて、坂口安吾ゆかりの品が展示されています。
手塚眞さん
坂口綱男さん
このイベントは坂口安吾の世界に浸ってほしいと「松之山安吾の会」が15年以上前から毎年開いています。会場には坂口安吾の息子で写真家の坂口綱男さんや、漫画家の手塚治虫さんの息子で、松之山がロケ地となった映画「白痴」の監督を務めた手塚眞さんがゲストに招かれたほか、県内外から約30人のファンが駆け付けました。
松之山朗読会が地元が舞台の作品「おらが村の杢兵衛さ」を、俳優の加藤翠さんが人気作品の「桜の森の満開の下」を読み語り、ファンたちは安吾の文学世界に浸っていました。
三条市から
「『黒谷村』が好き。松之山が舞台なのでいつか来ようと思っていてやっと来られた。松之山に来て『黒谷村』を読むのが夢だった。やっと叶った。もっと深く読んでみようと思った」
市内から
「いい会なのでビックリした。来てよかった。素晴らしい人が十日町に縁があって、自慢になるしうれしい。もう一度安吾を読んでみようと思う」
松之山安吾の会 村山陽介 会長
「この風土と風景を坂口安吾が愛したと言われている。広く知ってもらって、安吾のムードに浸ってもらって、ファンも増えたらいい。『坂口安吾まつり』を末永く残していってもらいたい」
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