2023年08月23日 18:21更新
産科医の不足や分娩数の減少を理由に、県立十日町病院は分娩を来年4月から休止します。新潟県では十日町市土市にある、たかき医院へ非常勤医師を派遣するなど市内での分娩体制の維持を支援していく方針です。
これは17日(木)に開かれた市議会厚生常任委員会で県の福祉保健部や十日町病院の吉嶺文俊院長の説明で明らかになりました。県によりますと、魚沼圏域の魚沼基幹病院、県立十日町病院、たかき医院の3つの施設をあわせた令和4年度の分娩数は808件で、5年前に比べて3分の2まで減り、今後も減少する可能性が高いと見られています。
なかでも十日町病院は100件を下回る92件で、新潟大学が産科医を派遣している病院の中で最も少なくなりました。一方で、県は週に60時間以上の時間外労働を行っている病院勤務医が約4割いることから医療安全の視点で長時間労働の解消を目指しています。こうした理由により十日町病院での分娩を来年4月から休止する方針です。
一方で、十日町病院には4月以降も産婦人科で常勤の医師が1人残り、妊婦や新生児の健康状態を診る妊婦健診は引き続き継続します。そのうえで県では十日町市、津南町で唯一分娩に対応するたかき医院へ、新潟大学からの非常勤医師を派遣するなど支援策を講ずるとしています。
委員
「地域医療が減っている。田舎がダメになっていく。そうすると人がいなくなる負のスパイラル。どんどん負のものだけを押し付けられる。お金がなければ医療を切り詰めるのか、十日町・津南、出産数が少ない、たかき医院があるから任せるだけでいいのか」
「新潟県の中でも雪深い地、峠を越えての妊婦の検診、帝王切開の場合は基幹病院へいく。そんな中で不安の声が届いている。そんな中二人目を産むのを躊躇する例も多く聞いている」
吉嶺文俊院長
「悩んだ上での決断、不安を煽るような提案で申し訳ないが、今回の提案はあくまでも休止であり廃止ではない。分娩できる医療機関が無くなるということではない。将来的にどうなるか、今日の時点でも1年後でもわからない。とりあえず危機を乗り切るためにも最善の案が今回の提案。みなさんの不安、心配を解消に努めたい」
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