2023年11月09日 17:08更新
この夏の高温や干ばつの影響で、魚沼産コシヒカリの等級が著しく低下するなか「魚沼米生産者大会」が6日(月)に越後妻有文化ホール段十ろうで開かれ、生産者が来年のコメ作りに向けて決意を新たにしました。
大会は、今年度産コシヒカリの等級低下を重く受けとめ、魚沼地区の5つのJAなどからなる魚沼米改良協会などが開きました。参加したのはコシヒカリの生産者およそ280人です。
5つのJAのうち、JA十日町では今月7日現在、一等米比率が11.1%、二等米が59.7%、三等米が22.4%と、猛暑と水不足の影響を大きく受けました。
大会では、今年の中越地区のコシヒカリの収穫量や、生育状況を振り返ったあと、コメの品質評価などを研究している新潟薬科大学 大坪研一 特任教授が、魚沼産コシヒカリの特徴を他県産と比較して紹介しました。
大坪さんによりますと、コメの食味はタンパク質の量が少ないほど柔らかく粘りが増すということです。すでに研究調査を終えた2020年と2021年の魚沼産コシヒカリについては、全体的にやや高温障害が目立ったものの、タンパク質の割合は低く、炊いた後のコメの粘りや食味値は上昇傾向にあったということです。
一方で、稲穂が成長する登熟期の異常高温はコメの白濁化やひび割れなど、品質低下につながることが分かっています。こうした傾向を紹介したうえで、大坪さんは改めて猛暑の年は、例年より収穫時期を一週間以上早めるようアドバイスしていました。
参加者
「品質観点が厳しく、ほとんどが2等米だった。乳白米が多く、過去にこれだけ悪い外観状況を見たことがない。精米して実食したが、味はいつもと変わらない。技術面で何か手を加える内容が聞けると思い参加した。今年のことを十分検証してもらい、作付け前に情報を提供してほしい」
最後に5つのJAから若手生産者の代表がステージに立ち、来年の生産に向けて決意を述べました。
JA若手生産者代表
「異常気象の環境変化に負けない最高においしい魚沼米を作ろうと取り組んできた。この困難を乗り越えるため、私たち生産者が集い気持ちを新たにすることができた。これからも生産者が力を合わせていきたい」
魚沼米改良協会 関武雄 会長
「今後、このような高温や干ばつの影響があれば、対策として作付けのバランスをとって、それぞれ品種の対策を精一杯頑張らさせてもらう。生産現場では来年も頑張ろうという意力の集結が今回の集会だと思う。この自然環境が続くと想定するならば当然品種の改良も考えなければならない」
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