2024年01月11日 17:23更新
絶滅危惧種の淡水魚、ホトケドジョウをご存じですか?
この魚の研究をしている十日町高校の生物部がこのほど、県の高校自然科学系クラブ研究発表会のポスター発表部門で最優秀賞を受賞し、今年8月に行われる全国高等学校総合文化祭に出場することが決まりました。
自然科学系クラブ研究発表会のポスター発表部門で最優秀賞を受賞したのは、妻有地域に生息するホトケドジョウの特徴をまとめた、十日町高校、生物部2年の石田妃菜佳さん、野崎昊太さん、阿部未彩樹さん霜垣咲さんの4人です。
ホトケドジョウは、湧き水のある流れの緩やかな湿地や水田に住む体長約6cmのドジョウ科の淡水魚で、県の絶滅危惧種に指定されています。生物部では3年前に市内でホトケドジョウを発見して以来、後輩たちが研究を引き継いできました。
生徒は、妻有地域のホトケドジョウに斑点模様があることに着目し、新潟県と長野県をまたぐ信越の15か所に生息するホトケドジョウの遺伝子の違いを調べました。
その結果、小千谷市から信濃川下流の地域に分布するのは「越後集団」。十日町市から上流の地域に分布するのは「南関東集団」、上越市と妙高市を流れる関川周辺地域に分布するのは「上越集団」と、信越エリアに遺伝的に3つの異なるグループが存在していることが分かりました。さらに、このうち体に斑点模様があるのは南関東集団に限られることも分かりました。
生物部 石田妃菜佳さん
「図鑑に掲載されているホトケドジョウは斑点模様が無い。十日町のホトケドジョウは黒く大きな斑点模様がたくさんあるので研究した。ホトケドジョウの胸ビラを切って、そこからDNA抽出した。1地点で12個体ずつくらいDNA抽出をして15地点で行ったのですごく大変だった」
馬場吉弘 元顧問
「4人ともよく頑張ってくれた。他校もレベルアップがすごくて、頑張れとしか言えなかったが、期待に応えてくれた」
発表の中では今後の課題として、ホトケドジョウの保全を掲げています。生物部が発見したホトケドジョウの市内の生息域は、ほ場整備により今年中にコンクリートで埋め立てられる計画が進んでいます。生物部では今回の発表を通して、ホトケドジョウを広く知ってもらい、保全活動につなげていきたいと話しています。
生物部 野崎昊太さん
「工事が始まる前に現地のホトケドジョウたちを一時回収できたらいいと思っていて、後々は代替地を用意して近隣の小学生たちと一緒に守っていくのが理想。全国的に絶滅が心配されている種なので、もっとたくさんの人に知ってもらって、ホトケドジョウを守る流れが起きたらいい」
十日町高校生物部は今回の研究をさらに深め、今年8月に岐阜県で行われる全国高等学校総合文化祭、通称「ぎふ総文」へ挑みます。
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