2024年07月19日 14:55更新
夏休みを前に農業用ため池での水難事故を防ごうと、スタントマンの実演を交えておぼれたときの対処法を解説する講習会が川西地域で開かれ、十日町市立上野小学校の児童や関係者など110人が参加しました。
この講習会は農業用ため池での水難事故を防ごうと、県のため池サポートセンターが毎年県内各地で巡回しているものです。十日町市は周囲に住宅地や公共施設がありながら、災害時に決壊の危険性が高い「防災重点ため池」の数が、県内で3番目に多いことから今回の開催地に選ばれました。参加したのは、地元の上野小学校の全校児童43人と、ため池の管理などに携わる市内の関係者、合わせて110人です。
農地部地域建設課 近藤義則 課長
「特に住宅に近いため池に人が近づきやすくて危険だと考えている。農業用水の使用は4月から始まる。4月から8月末までが危険な時期だと思っている。さらに暑くなってくると、子どもたちが水辺に近づきたくなる。これから夏休みを迎えるので特に注意していく時期になる」
講習会ではまず、児童にわかりやすいようクイズを交えて、ため池についての知識や水難事故の危険性が紹介されました。続いて、水難事故の防止に向けて、事故の検証などを研究する「水難学会」がスタントマンの実演を交えてため池に落ちておぼれたときの対処法を解説しました。
「背浮き」の様子
誤って水に落ちた場合は、慌てずにあおむけで大の字になり、顔だけ水面に出して呼吸を行う「背浮き」の体勢を取ることが特に重要ということです。また、地上にはい上がる時の補助となる張ブロックや救助ネットの使い方をはじめ、ロープを使った救助方法、ライフジャケットの正しい着用方法なども紹介されました。
4年生
「ため池には近づかないのと、海などに入る時はライフジャケットを必ず着たい」
6年生
「落ちた時にコケで滑って登れないし、ぬれて服も重たくなるので、池から上がるのが大変だと思った。落ちた時にどう対処するのか分からなかったけど、対処のやり方を実際に見て分かった」
(一社)水難学会 斎藤秀俊 理事
「ため池の危険性は斜面急角度になっていて滑って落ちることがある。しかもため池は波も流れもなく平和そうに見えるので、いきなり滑って落ちることがある。夏休みがはじまってしばらくは平日の子どもの水難事故が多い。保護者が居ない平日は、ため池や川に近づかないように、家でも言い聞かせてほしい。たくさんの子どもが一気に亡くなる事故の典型例が、手を出して引っ張られる事故。ため池に近づかないのは大前提だが、溺れている人が居たらすぐに119番通報をする、大人を呼ぶなど、まず自分たちができることをしてもらいたい」
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