2024年07月31日 16:26更新
「雪国クワガタ」をご存じですか? 出荷準備、万端です!
十日町市の元地域おこし協力隊の髙木良輔さんが地域で不要になった木材や米ぬかなどを活用し、十日町産のクワガタムシとして養殖と販売をする事業を去年から始めました。今年からはオンラインショップも開設し、髙木さんは現在、真夏を迎えて成虫に育ったクワガタムシの出荷作業に追われています。
松代の蒲生集落に住む髙木良輔さん(30)は自宅の倉庫で現在、クワガタムシを中心に約300匹の甲虫を養殖しています。ミヤマクワガタやノコギリクワガタ、カブトムシなどこの地域に生息する在来種10種類をはじめ、ヨーロッパミヤマクワガタなど外来種も20種類ほど育てています。養殖ではクワガタが暮らす床材の土に、地元の森で採取した朽ち木や米ぬかを活かしているのがこだわりです。
ノコギリクワガタ
ミヤマクワガタ
この時期はさなぎから成虫に変わるピークを迎えていて、髙木さんは随時、クワガタの様子や成長状態を確認し、商品として販売するための準備に勤しんでいます。中でもこの地域には涼しい環境を好む低温種と呼ばれる種類が多く住んでいるため、養殖でも室内の温度を17から22℃の間で保つことに最も気にかけています。
卵
幼虫
髙木良輔さん
「野生で育ったものはそんなにサイズがそろわなかったり、そこまで大きくならないが、自分で育てたからこそそれなりに大きいサイズが見られるというところが特色になる。地元のカブトムシやクワガタムシがいい血統でいいものがたくさんいる。色や形は地元の強みがかなり出ていると思う」
髙木さんは元々群馬県出身です。クワガタの飼育は12歳の頃から始め、大学卒業後も都内で会社員をしながら地方に出かけて採集や飼育を続けていました。より自然や昆虫に関わる仕事がしたいと2021年に十日町市の地域おこし協力隊として蒲生集落に移住し、ネイチャーガイドなどの活動に取り組み、今年3月に3年間の任期を終えました。この間にも地元に生息するクワガタを捕まえて飼育を続けていた髙木さんは、「雪国クワガタ」と銘打って新たな事業として本格的な養殖に乗り出しました。去年の夏に松代地域と地域間交流を続ける世田谷区のイベントにブースを構えてクワガタを販売したところ、好調な売れ行きを見せ、事業化の手ごたえを感じました。
髙木良輔さん
「自分で観察して欲しいと思ったものを採ってきて増やすということが楽しい。小学2年から30歳までずっとやっているので、ずっと途切れなくやっているので大好き。好きなことをやって、最初の投資というのも少ない中で、すごく今順調に来ていると思っている」
今年からはオンラインショップも開設し、更なる顧客獲得を目指しています。雪国クワガタはオスとメスをセットにして販売していて、価格は種類やサイズによって800円から2万円台まで変動します。去年全体で50セットほど出荷したのに対し、今年は7月の販売開始からすでに50セット以上を売り上げ、シーズン中はさらに100セットほどを出荷する見込みです。
ヨーロッパミヤマクワガタ
髙木良輔さん
「応援してくれる人がいるから今は広げられていると思うので、次は地元の資材を使ったり、還元するほうで貢献できるように、もっともっと広げて売り上げが見込めるようになっていきたい。これだけに関わらず、町の自然や地域の自然を語れて案内できる人間になりたい」
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