2025年09月19日 19:09更新
終戦から80年を迎えたことにあわせ、十日町市内から広島市の平和記念式典に派遣された代表中学生15人が現地で学び、感じたことを同じ世代に伝える「ヒロシマを歩いた私たち」と題した講演会が初めて、千手中央コミュニティセンターで19日(金)に開かれました。
この平和講演会は被爆・終戦から80年を迎えた節目に平和の尊さや原爆の悲惨さを次世代に継承し、平和の大切さについて考える機会にしようと十日町市と原水爆禁止十日町市協議会との共催で開かれました。協議会では平成5年から毎年広島市の平和記念式典に市内の中学生の代表を派遣していますが、市内の中学生が一堂に会して代表生徒の体験談を聞く機会は今回が初めてです。
原水爆禁止十日町市協議会 星野景子 会長
「中学生になるといろいろ多感な時期なので、平和について皆さんから考えてもらい、これから自分が何ができるか何を知ればいいかを一緒に話し合っていけるといいと思い企画した。平和とは何か。自分たちが生活している今が一瞬にして無くなることは想像がつかないが、考えてもらいたい」
この日午前中の講演会には市内の5校から117人の中学生が参加しました。発表ではことし8月に広島市を訪ねた中条中の5人と中里中の4人がそれぞれグループになってステージにあがり、平和記念資料館などで見た当時の被害の様子や被ばく者の話など、現地で感じた戦争の恐ろしさや悲惨さを同級生たちに伝えました。
中条中学校の発表
「爆風が去ったあとも、原爆の影響で黒い雨が降り、逃げ込んだ畑のトマトが真っ黒になったそうです。この話をしてくれた人はこの体験が忘れられず、今でもスーパーでトマトを手で取ることができないそうです」
中里中学校の発表
「資料館で感じた恐怖は、当時の写真や被害の様子を見て想像以上の悲惨さに目が痛みました。そして熱風でドロドロに溶けた鉄が残っていました。これからの未来を担う私たちがこの過ちを後世に伝え、繋いでいくべきだと考えました」
このあと、広島平和記念資料館の豆谷利宏副館長と被爆体験伝承者の中原俊輔さんの2人も講演し、戦時中の悲惨な状況をより克明に中学生に伝えていました。
講演を聞いた中里中3年生 鈴木 剛丸さん
「学校で習う広島の歴史は少ないので、この機会にしっかり話を聞いて、あらためて広島の歴史や人々の気持ちなどを感じたので、この機会は大切だと思った」
発表した中里中3年生 古髙 洸希さん
「平和学習をやっていない学校が多いので、しっかりと1人1人が行える環境を学校が作ろうと行動に移せるように発表した。被爆者が高齢になり、減っていっているので、自分たちでできることは学校で発表したり、地域の人たちにも話をしていきたい」
発表した中条中3年 曽根 成龍さん
「被爆当時は自分たちと同じ年齢でも戦争にかり出されていたので、ごはんなどもお腹いっぱい食べられていなかったので、それを考えると今の平和についてのありがたさが分かった。きょう発表したことがみんなに伝われば、平和についての考えがより深まると思うので、ほかの人に伝えてもらえたらうれしい」
あす20日(土)は豆谷さんと中原さんによる市民を対象にした平和講演会が午前10時から千手中央コミュニティセンターで開かれます。
■被爆・終戦80周年「記憶と記録を未来へ」の講演会 9/20 千手中央コミュニティセンター
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