2026年06月02日 09:47更新
昭和後期まで三味線を携えて農村で門付けを行っていた盲目の女旅芸人「瞽女」。越後瞽女の中でも長岡瞽女と高田瞽女の2派が行き交った珍しい歴史をもつ松代地域で瞽女の文化を伝えるイベントが30日(土)に初めて開かれ、久しぶりに「瞽女唄」がまちに響きわたりました。
「瞽女」は三味線の演奏に合わせて唄を披露しながら各地を巡って生計を立てていた盲目の女旅芸人です。近代化により、昭和後期にほとんどの瞽女が引退しましたが、娯楽の無かった時代は農山村の人々から熱烈な歓迎を受けていました。
越後瞽女のうち、現在の上越市を拠点にした「高田瞽女」と長岡市を拠点にした「長岡瞽女」は独自の文化を持つ集団として全国にも名が知られていました。
このイベントは高田瞽女と長岡瞽女の両方が訪れ、2つの文化が交わったとされる珍しい歴史をもつ松代地域で、その文化を語り継ごうと有志たちの手によって初めて開かれました。
昭和後期に瞽女の旅に同行してその姿をドキュメンタリーとして撮影した写真家の橋本照嵩さんが写真と共に、当時の旅の様子を語りました。
写真家 橋本照嵩さん
「自分の芸を磨いて長い間瞽女家業で村から村へ旅して、雨の日も雪の日も行う忍耐や継続性、芸を磨く気持ちがすばらしいと思ったし、家族や先祖に瞽女さんがいたり目の不自由な人がいて、村人としても人ごとには思えなかった。小さいときから瞽女さんを見て唄を聴いて育ったという越後の農村風土があって交流が盛んだった。どうしてこういう人たちが集団を組んで生活していけたのか。越後の風土と暮らし、瞽女さんの旅姿や村人との交流を感じてもらえたらいい」
そして、最後の瞽女として知られる「小林ハル」から瞽女唄を継承した竹下礼子さんと、竹下さんに教わり現在も活動を続ける横川恵子さんがあわせて6演目の瞽女唄を披露しました。
埼玉県から
「妻が寺泊の出身で自分の家に瞽女さんが来た事があって思い出があり、改めて瞽女さんの話を聞きたいと思って来た。妻はあまり細かいことは覚えてないみたいだったけど、聴いてて懐かしさを感じていた」
地元から
「はっきりとは覚えていないけど、小さいころに村に瞽女さんが回って来たことを覚えている。瞽女さんの生い立ちなどをよく知れたし、耳も聞こえないし声も出ないと言っていたけど、小林ハルさんに指導を受けた竹下礼子さんの唄や三味線もすばらしかった」
橋本照嵩友の会 会員
「松代は高田瞽女と長岡瞽女の両方が来ていた本当に珍しいところで、町の中心だけではなく各集落に瞽女宿があって、瞽女さんが過ごされていた思い出のある人や、資料でも両方の瞽女さんが来ていた家や地域が混ざっていたと残っている。派閥の関係ない瞽女の祭りとして松代で開催したいと企画した。社会で支える基盤があった場所だという事が新潟県で最後まで巡業する瞽女さんが残っていたことに表れていると思うので、その文化を伝えていく場所にしたい」
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