2023年03月24日 10:54更新
十日町市内で地域おこし協力隊として活動していた3人の隊員が任期満了を迎え、関口市長にこれまでの活動や今後の展望など退任のあいさつをしました。3人とも今後も十日町市に残り定住することになっています。
地域おこし協力隊を退任するのは新潟市から来て中里、倉俣地区で活動した小林陽子さん。東京都練馬区から来て大地の芸術祭の運営やツアーガイド、教育・企業研修旅行などの受け入れに携わった佐藤あゆさん。そして、上越市から来て、まつのやま学園での雪里留学の受け入れに取り組んできた久保田智恵美さんの3人です。
小林さんは地元の子どもたちと田んぼづくりなど食にかかわる活動を進める傍ら、補助金を活用してコミュニティサロンを運営したり、地域で出荷しきれなかった野菜をお弁当にして地域に還元する「釜弁」の運営に取り組んできました。小林さんは店舗を持たずに出張料理人のような形で今後も地域の人と交流を育み、釜弁も続けていきたいと意欲を見せています。
倉俣地区担当 小林陽子さん
「この3年間は本当に美味しいものをいただいたし、四季の豊かさ、それに合わせながら自分の生活も上下するというか。心地の良さを引き続き感じていたいと思って定住した。「食」と「農」と「自然」と関わりながら、無理なく、自分の暮らしも流れに寄り添っていけるような活動をしていきたい」
佐藤さんは観光面での関係人口の拡大をはかるミッション型の隊員として着任し、新たなツアーの造成やガイドを務める傍ら、大地の芸術祭の運営やボランティア組織こへび隊の体制見直しなどに取り組んできました。佐藤さんは今後、NPO法人越後妻有里山協働機構に所属して、引き続き活動を続けていく予定です。
佐藤あゆ さん
「コロナと重なってしまい、観光など人を呼び込むこと、人の繋がりを作っていくことがなかなか思うようにできなかった。その中で何ができるかというところが苦しかった。ここでできた繋がりがそのまま活かせたら良いなと思う。ここで出会った人たちとこのまま生活もしていきたいし、今の仕事もこのまま続けていきたいし、これからやりたいこともたくさんあったので自然とそのままいることを選んだ。表面的なアート作品や観光の体験だけではない、もっと豊かな地域の営みみたいなものを自分で体験して、一緒に楽しんだり伝えていけるような生活をしていきたい」
久保田さんは湯米心まつのやまに所属し、児童生徒の減少で学校閉鎖が危ぶまれる、まつのやま学園で学区外、地域外からの通学を受け入れる里山留学の体制づくりに取り組んできました。親元を離れて生活する藤倉ハウスの体制整備や市内外への学校のPRを進めた結果、ことし4月から6人の児童生徒が通学することになりました。今後は松之山地区の地域支援員として引き続き体制整備に務めていくということです。
久保田智恵美さん
「やり終えたということよりも、これからやるぞ!という新しい気持ちになっている。松之山を愛している。新しいものをどんどん受け入れながら、地域住民が1人1人それを受け止めて作り変えていこう、という力がある。誇って良さを全国に語れるというのも大きいし、子供たちにも伝えていきたい」
コロナ禍と重なった3年間の活動報告を聞いた関口市長は「地域に元気を与えてくれた。引き続き市民として頑張るということで感謝申し上げる。これからもよろしくお願いします」と3人の今後にエールを送りました。
3人が十日町市に残ることを決めたことで、市の地域おこし協力隊の定住率は72%まで伸びました。
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