2023年05月25日 15:12更新
高齢化が進む中山間地の十日町市蒲生で使われなくなった棚田を復活させようと、都会など地域外から人を呼んで作業を手伝ってもらうプロジェクトが始まりました。
十日町市松代。この地域では高齢化や人口減少が進み、現在棚田の耕作放棄率は50パーセントを超えています。棚田でコメ作りをしている農家はわずか数軒のみです。
こうしたなか、この地域ならではの棚田の風景を維持し、休耕田を再生させようと立ち上がったのが蒲生地区で農家民宿などを営む阿久澤剛樹さんです。
阿久澤剛樹 代表
「高齢化も進み、棚田が放棄される流れが続いている。残したい棚田、残すべき棚田はいろんな人を入れてでも残していきたい」
阿久澤さんは同じ地区の仲間とともに、一般社団法人「トロノキ棚田トラスト」を今月設立し、棚田の再生に向けて動き始めました。プロジェクト名は「プロジェクト サンライズ」。地元だけに頼るのではなく、棚田作りに興味がある人を外から呼んで、多くの人に関わってもらいながら棚田の整備を進めます。
具体的には田植えや稲刈りなどの農業体験や、農家民宿をしてもらうほか、有料の会員制度を設け、メンバーには棚田で育てた自然栽培米5キロを贈る計画です。
阿久澤剛樹 代表
「復田した棚田をきちんと耕作収穫できるまでもっていくことが当面の目標。一段の棚田として復活できようなことがあれば、長期的に有効活用ができる。田んぼ以外に使い方もあると思うので、有効利用すればいいのか考えていきたい」
先月にはプロジェクトのメンバーが中心となり、3年前から使われていない棚田およそ47アールを重機を使ってあぜを整備したほか、斜面に生えた草や木を切りました。
そして今月18日、再生した田んぼで初めて田植えをしました。この日は代表の阿久澤さんと親交がある、ロータリークラブ オブ シンガポールのメンバーが視察に訪れ、棚田で田植えを体験しました。
視察団メンバー
「この景色は素晴らしい、また来たい。この棚田で天然の水で育てる意味もわかった。産地の人には、消費という意味で貢献する形につなげたい」
「トロノキ棚田トラスト」では来月から毎週金、土、日、月曜日にボランティアを募り田んぼの除草作業などを行います。プロジェクトに興味のある方は、「トロノキ棚田トラスト」のホームページをご覧ください。
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