2023年06月05日 17:31更新

棚田に映った満月を愛でる「田毎の月」の観月会が4日（日）、十日町市飛渡地区の三ツ山集落で4年ぶりに開かれ、100人を超える人が幻想的な風景を楽しみました。

棚田の一面一面に映り込む満月。満月が棚田に映り込む様子「田毎の月」は、田植え直後の水面が見えるこの時期にしか見られない光景で、コロナの影響で4年ぶりに開かれました。

前日は雲が覆って月がきれいに出ませんでしたが、この日は午後8時30分ごろ上空に満月がくっきりと浮かびました。展望台には田毎の月を一目見ようと県内外から104人が集まり、カメラに収めながら幻想的な風景を楽しんでいました。

群馬県の高崎市から
「感動した。とても綺麗で幻想的だった。なかなか雲に隠れてしまっていて顔出してくれるまで時間がかかったが、我慢してまってて良かった」

東京から
「僕は世界中の棚田を見ているのだが、日本的な棚田というのはやっぱり満月の夜の姿、風景というのは素晴らしい。日本人の原型、原風景。三ツ山の田毎の月はまさに日本。中国とかベトナムの本当に世界最大の棚田を見ているが、あういう雄大さと違って、最終的には幽玄の美の日本に戻るんでしょうね」

三ツ山集落での観月会は明治時代に始まったとされ、一時期は途絶えましたが、昭和61年に復活。平成16年には中越地震で散策道などが被災したものの、その後、地域の人やボランティアたちの手で整備を重ねて現在に至っています。

田毎の月を守る会 大津敏和 会長
「4年間待った甲斐があったし、本当に良かったなと思っている。幻想的であり、簡単には見れない貴重な天体ショー。この三ツ山の棚田を守って、貴重な月にしていきたい」