2023年10月30日 18:30更新
柏崎刈羽原子力発電所での重大事故を想定した国と県による防災訓練が29日(日)に行われ、十日町市では原発から30km圏内の住民が参加し、市内で初めてスクリーニングや安定ヨウ素剤を配る訓練が行われました。
訓練は柏崎市などで震度6強の地震が発生し、柏崎刈羽原子力発電所から放射性物質が放出された想定で行われました。十日町市で原発から半径30km圏内、いわゆるUPZ、避難準備区域に含まれるのは下条地区、川西地区、松代地区の一部です。
訓練では、この区域の住民5700人を対象に屋内退避指示が発令され、下条地区の各集落の代表34人が巡回バスに乗って避難所へ移動しました。
避難先のクロステンでは、市内で初めてとなる放射性物質を計測するスクリーニングと安定ヨウ素剤の配布訓練が行われました。スクリーニングでは、放射性物質が付着しやすい車のタイヤとワイパーも計測されました。
訓練の振り返りで参加者からは「車が不可欠なこの地域で巡回バスによる避難は現実的ではない」と行政側に疑問を寄せる場面もありました。
防災安全課 蔵品 副参事
「今回我々も実際にバスを巡回させて、どういう課題があるか深めたかった。避難の基本は自家用車になる。バスは自家用車での避難が困難な方に乗ってもらう。ただ自家用車が増えれば増えるほどクロステンが大渋滞になるのでそこが課題になる」
参加者
「自家用車で避難することを考えておかないと、いざという時はダメだろうと思った。スクリーニングは本当は大変なんだろうが、今日は車のスクリーニングだけだったので、あれだけでいいんだなと思ったのが実際のところ。今日の訓練で実際にうまくスムーズにいくとは思っていない。簡単にはいかない」
「災害はいきなり来る。ほかの住民は理解していない人がほとんどなので、しっかり対策をしないといけないと感じたし、安全対策を強く要望する」
防災安全課 小林 課長
「本当に災害が起きた場合、下条地区全員が避難することになる。避難の課題の発見が大きな任務だと思っている。原子力災害が起きた場合には、正しい情報を速やかに皆さんに伝えるので、情報に基づいて冷静にただしい判断をしてもらいたい」
なお十日町市によりますと、市内でのスクリーニングポイントはすべて道の駅が候補地となっており、クロステンのほか川西地区は瀬替えの郷せんだ、松代地区はまつだいふるさと会館となっています。
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