2023年07月13日 18:10更新
越後妻有里山現代美術館 MonETの連続企画展が7月から始まりました。今年度は4人のゲストキュレーターがプロデュースする4つの企画展が行われます。現在は第一弾として「マテリアルショップカタルシスの岸辺 十日町本町店×『死蔵データGP2022-2023』記録展」が8月27日(日)まで開かれています。
「カタルシスの岸辺」は2017年に東京で結成されたアーティスト集団で、メンバーは現在、現代美術の作家活動などを行う9人で構成されています。
第一弾の企画テーマになっている「死蔵データ」とは、誰にも見せる予定のない、自分しか存在の知らないデータのことで、映像、写真、静止画、音声、テキストなど種類は問いません。カタルシスの岸辺では、死蔵データをアート作品ととらえ、展示だけでなく販売もしています。
高見澤峻介さん
「周りに美術家の仲間が多く、そういう人たちが作品を制作しに旅行や調査に出かけた時に、写真やビデオなど沢山フッテージ(素材)が残る。その中で作品に使われずに死蔵されていくデータというのは、仲間だからこそ見せてもらえる。それが非常に面白かった。そういうものを一つひとつ愛でていくというか、価値があるのではないかという風に思って、マテリアルショップと名付けて、死蔵データを売っていくという活動が始まった」
MonETでは現在、カタルシスの岸辺が去年から今年ににかけて開催した「第一回 死蔵データGP 2022-2023」の記録展が開かれ、グランプリ作品などのアーカイブなどが視聴、鑑賞できます。
また注目はこちらの屋台です。「死蔵データGP」を開催するために集めた254点の死蔵データをカードにして販売しています。カードはトレーディングカードのようなデザインに加工され、価格は10円から1万円まで。購入すると付属のQRコードから「死蔵データ」の閲覧や視聴ができる仕組みになっています。
酔った状態で歩いて自販機にたどり着くまでを撮影した「酔った日」や、技術が無いにも関わらずに流行りのVtuberの制作に取り組んだ作品映像が見られるカードなど、どれも内容が気になるものばかりです。
あわせて「カタルシスの岸辺」では、会場に訪れた人が持っている「死蔵データ」の買い取りも行っています。メンバーがデータを鑑定し、内容に応じた値段をつけていきます。
高見澤 峻介さんと大山 日歩さん
「十日町の死蔵データ欲しいです。ぜひお待ちしてます」
また、お盆期間の8月12日(土)には、会場で死蔵データの内容を競い合うグランプリも開かれます。カタルシスの岸辺を起用したゲストキュレーターの美術評論家、椹木野衣さんは「死蔵データというのは、その人の忘れている過去をこの世に引き出すという側面もある。夏休みのお盆も挟むので、そういう埋もれていたデータにとってのお盆になればと思ってキュレーションした。十日町の新しい店舗で来場者が関係を作ることで、自分の中の死蔵データを、これを機会に探してみるという、自分自身のこととして考えてもらえるととても良いと思う」と話しています。
■越後妻有里山現代美術館 MonET 連続企画展2023
Vol.1 マテリアルショップカタルシスの岸辺 十日町店×『死蔵データグランプリ2022-2023』記録展」
日時:7月1日(土)~8月27日(日)10:00~17:00(最終入館16:30)
会場:越後妻有里山現代美術館 MonET
料金:個別鑑賞券(一般1200円/小中600円)または「2023年の越後妻有」の共通チケット
■関連イベント:「死蔵データGP 北信越大会 2023」
日時:8月12日(土)13:00~16:00
会場:越後妻有里山現代美術館 MonET 回廊
参加費:無料
Copyright (C) 2024 十日町タウン情報 All rights reserved.