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メス多くて個体増加の懸念も…キョロロでアメリカザリガニ捕獲作戦

2024年04月16日 10:45更新

生態系やコメ作りに被害を及ぼす外来種、アメリカザリガニの駆除と生態調査を行う森の学校キョロロの捕獲イベントが今年も始まりました。春先最初の捕獲では、メスの個体数が去年よりも多く確認され、研究員は「産卵時期が早まり、個体数が増える可能性が高い」と警鐘を鳴らしています。

アメリカザリガニは在来生物の生態系を脅かすとして、去年6月に野外への放出や販売などを禁止する条件付特定外来生物に指定されました。

これにあわせキョロロでは、敷地内の池でも増加傾向にあったアメリカザリガニの捕獲駆除と生態調査を友の会のメンバーや利用者の子どもたちと一緒に始めました。去年は4月から11月に渡り、キョロロ周辺の3つの池で1361匹を捕獲しました。

キョロロの研究員 大平創さん
「十日町だと米作りが盛んで、田んぼにもさまざまな被害を及ぼす。文化と生物多様性も守りたいということで始めた。できるだけザリガニを取って、農業被害と地域の自然の生き物を守りたいという思いがある。身近にいる外来生物が、いろいろな生き物に影響を与えるということを触れて感じてもらいたい」

今年最初のザリガニ捕獲作戦は13日(土)、雪解けが早かったことから去年より1週間時期を早めて始められ、親子11人が参加しました。

参加者
「いっぱい取れた。(幼体なのか)触ったら殻がペコペコしてた」
「人間が持ち込んできたからしかたがない。自然環境に少しは外来種がいるかもしれないが、もっと在来種が増えて、絶滅危惧種のタガメなども、ここに入ってきてくれるような環境にしていければ」

前の日に仕掛けられた15個の罠を回収したところ、36匹が捕まりました。去年の春先はオスとメスはほぼ同じ割合で見つかりましたが、今年はオスが5匹だったのに対し、メスはその6倍の31匹でした。

左:オス/右:メス

キョロロの研究員 大平創さん
「去年は夏くらいに卵を抱えていたり、小さな個体を抱えているザリガニが多かったが、今年は春先から数が取れてしまったのでまずいと思っている。オスとメスにこんなに偏りが出るのは、今までになかった傾向。メスが繁殖前後で、積極的にエサを取っていて、メスのほうが取れる数が多かった可能性がある。これからなるべく数を減らして低密度で管理できるようにしたいと考えている」

キョロロではこれから雪が降るまで毎週、まつのやま学園の自然科学部の児童と一緒に、ザリガニの捕獲を行うほか、月に1回一般向けイベントとして「定例ザリガニ捕獲作戦」を開催します。そこでデータを集めてオスとメスの割合や繁殖時期を詳しく調べ、駆除活動に役立てることにしています。

キョロロでは去年に引き続き、十日町市内全域のアメリカザリガニの目撃情報も募集しています。詳しくは「とおかまちザリガニ捜索隊」で検索してください。

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