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渇水で田植えできず…松之山地域の棚田で干ばつ被害 髙鳥議員などが視察

2024年06月18日 16:44更新

去年夏の猛暑をはじめ、この冬の少雪や春からの雨不足の影響で松之山地域などの一部の天水田では渇水で田植えができない深刻な状況に見舞われています。被害の大きい地区を地元選出の国会議員らが14日(金)に視察しました。

視察を行ったのは髙鳥修一衆議院議員をはじめ、自民党系の地元県議・市議など4人です。一行は松之山の五十子平集落や 猪之名集落で5ha以上作付けしている専業米農家、小野塚建治さんの棚田を訪れました。ここでは今シーズン、水不足で約半分の田んぼで「代かき」ができず、「田打ち」までの作業に留まっています。

また去年夏の高温の影響で、田んぼの至るところにひび割れが出ていて、仮に水を入れても、ひびの間から流れ出てしまい、水持ちも悪くなっています。さらに、すでに田植えを終えた場所も水不足で満足に水を張れず、土が乾いてしまったところが1ha分にも及んでいます。新潟県農業共済組合によりますと、こうした状況が十日町市内全体で21haに広がっていて、そのうちの約4割が松代・松之山地域の天水田に集中しています。

小野塚建治 さん
「こんなのは初めて今年はお手上げ。ここは小作地なのでやめようと思えばやめられる。だけどそういう訳にはいかない。地元の人間として義務も責任もある。お客さんにお米を届けられないのはつらい。1回水を入れないとどこにヒビがあるか分からない。本当に今年は水持ちが悪いので、おそらく去年の渇水の影響でヒビがかなり深く入っている。布川地区全体がつなぐ棚田遺産に選ばれている。こういう状況だとさみしい。観光客も大勢来ているので、作付けできないとさみしい状況」

また松里地区や布川地区など、松之山地域の4分の1の田んぼに水を供給している留山ダムも例年と比べ、貯水量が落ち込んでいます。ダムの管理を行う株式会社大海組によりますと、去年の6月は最大貯水量42.5万tの8割ほどにあたる約35万tが貯水されていたのに対し、今年は6月14日現在で約25万tと6割ほどとなっています。ダムでは田植え直後の田んぼの水不足に対応するため、6月17日から最後の取水ゲートを新たに開放して水の供給量を増やしましたが、出穂期となる夏まで貯水量を保てるかは不透明な状況です。

株式会社 大海組 中島健男 取締役
「留山ダムの管理をして10年目だが、今までで初めてだしこういう経験はない。なんとしても、稲の穂が出る出穂期までなんとか水をもたせないといけないということで頭がいっぱい。1週間に1回くらい雨が降ると、放流した分からまた天然の水が供給されて水位が少しは復元するが、今年はそういう事が期待できない。8月の出穂期には順番に水を末端まで送れたらいい」

衆議院 髙鳥修一 議員
「(早急な対応は)難しい面があることは承知している。去年と今年だけではなく、これからもこの状況が続く可能性があるので、長期的な視野に立った取り組みが必要。ひとつは水をどうやって確保していくのか、そして高温耐性品種を研究して作付けをしていくなど、総合的に考えないといけない」

十日町市では渇水被害のデータを集めると共に、予防と軽減に向けて応急対策事業を始めました。対象は市の水田台帳に記載されていて、稲が枯死する恐れのある田んぼで、水路の掘削やポンプやホースなどの設置にかかる購入費や労務費など事業経費の50%以内を補助します。補助の上限は受益面積に応じて10万円から40万円まで。対象期間は9月までですが十分な用水が確保されたと判断されれば、その日までとなっています。詳しくは市役所農地整備係または各支所の担当係までお問い合わせください。

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