2024年07月30日 16:02更新
松代地域で冬期間の移動や物の運搬に使われていた「山ぞり」を大地の芸術祭の作品にリメイクし、人を乗せて練り歩くイベント「山ぞり夏まつり」が28日(日)に農舞台フィールドミュージアムで開かれました。
山ぞりは松代地域の冬の移動手段だけでなく、物資の運搬や、急病人を運ぶために明治時代まで使われていた、雪国ならではの道具です。このイベントは今は使われなくなった山ぞりの文化に触れ、アートとして楽しんでもらおうと、上越市在住の現代美術家堀川紀夫さんと、小さいころに山ぞりを使った経験のある地域住民でつくる「まつだい山ぞり隊」が2011年から始めました。
リメイクされた山ぞりに人を乗せて、山ぞり隊がそりを引いて練り歩くことで人々が力を合わせる協働を表現する作品として、冬の大地の芸術祭に毎回登場しています。夏の芸術祭に登場するのは第8回展に引き続き今回が2回目で、山ぞりの下には道を走るための車輪がつけられました。
現代美術家 堀川 紀夫さん
「この地域には大昔から山ぞりという文化があったわけで、大きな文化の物語をよみがえらせたり、拾い出すことが現代を生きている私たちにとって、ちょっとした意味を与えて喜びを与えてくれるのではないかと思う。地域の皆さんの心意気を感じてもらえればありがたい」
イベントではサイズの異なる2種類の山ぞりが登場しました。それぞれ地元の家庭で眠っていた山ぞりをリメイクしたもので、人がまたがって乗ることができる馬をイメージした形の土台が中央に組み立てられています。そのまわりには祭りの山車をイメージした紅白の幕やしめ縄が飾りつけられています。
山ぞり隊は農舞台を訪れた観光客を順番に山ぞりに乗せると、ピロティから駐車場までの約150mを太鼓を鳴らしながら練り歩きました。
オーストラリアから
「初めて松代に来たが最高の時間だった。この場所はとても美しい場所だと思った」
新潟市から
「リズムに合わせて動いているのが楽しかった」
「丸太の上で少し高いところだったので大丈夫かと思ったが安定感があってすごくよかった」
東京から
「実際に山ぞりが使われているところを目で見てみたいと思った。今度は雪山で乗ってみたい」
松代山ぞり隊 小嶋 務 副隊長
「夏はソリだけではなくて車輪が付いているので引っ張るのは夏の方が楽。お客さんの反応や喜ばすことは夏も冬も一緒なので、子どもたちが喜んでくれることが1番うれしいこと。山ぞり隊は高齢化しているので若い人を募集しないと続けていくことは難しいと思っているが、まずは私たちが楽しむこと。私たちが楽しめば続けていけるのでみんなの思いが1つになっている」
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