2025年01月15日 18:37更新
松之山温泉で江戸時代から伝わる奇祭「むこ投げ すみ塗り」が15日(水)に行われ、今年は一般公募で選ばれた、十日町市と津南町にゆかりのある2組の夫婦が地域の人たちから温かい祝福を受けました。
むこ投げは江戸時代から松之山に伝わる小正月行事です。地元集落の女性と他の地域出身の男性が結婚した腹いせに、雪の上にむこを放り投げたのが始まりとされ、現在は前の年に結婚した夫婦を祝うイベントとなっています。
今年の主役は一般公募で選ばれた2組です。東京都在住の早川元さん 愛さん夫婦は、愛さんが十日町市下条の出身で、プロポーズされた思い出の地で忘れられない思い出を作ろうと応募しました。
また神奈川県在住の福原圭杜さん 渚未さん夫妻は、圭杜さんが津南町の出身で、長年松之山地域で勤めていた父から参加を勧められたということです。むこ投げの舞台となる薬師堂前は2.5mほどの雪が積もり、さらに綿雪が絶えず降りしきる絶好のコンディションとなりました。
早川元さん
「自分としては結構飛んだと思ったが、後から低空飛行だったと言われた。とりあえず降りることで精いっぱいだった。皆さんに投げてもらえて幸せ。皆さんにお祝いしてもらったので、責任を持って幸せになりたい」
早川愛さん
「みんなに思い切り投げてもらって、下に転がってく来てくれてキャッチできてうれしかった」
福原圭杜さん
「着地して柔らかい地元ならではの優しい雪だと感じた。絵に描いたような幸せな結婚生活にしたい。私は津南町出身だが、伝統行事に参加できて皆さんに祝ってもらってうれしかった。これがほかの人にも伝染していって、松之山や新潟に関係なくいろいろな人に知ってもらいたい」
福原渚未さん
「私の所までコロコロ転がってきてくれてよかったし、うれしかった」
続いて恒例の「すみ塗り」です。早川さんと福原さんがどんど焼きのやぐらに火をつけ、そこから出た灰と雪を混ぜ合わせて会場の全員で顔に墨を塗りあい、互いの無病息災を願いあいました。
早川愛さん
「真っ黒になりました。自分の顔を鏡で見るのが怖い」
福原圭杜さん
「何が何だか分からないが、いいものですね。すてきな1年になりそうです」
千葉県から訪れた人
「3年連続で来ている。ことしのむこ投げは迫力があって面白かった。十日町らしく、松之山らしく、楽しいイベントでした」
山岸裕一 松之山温泉組合長
「ことしは雪もバッチリだったのでよかった。地元だけでは成り立たなくなっていく部分もあると思うので、興味のある人に地元の祭りに交じってもらって、真っ黒になる体験もなかなか無いと思うので、人生に1回くらい、やりに来てもらえるとうれしい」
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