2025年07月30日 12:31更新
県立松代病院を来年4月から無床の診療所にするとした県の方針を受けて、地元の住民有志が病院機能の存続を求めて「県立松代病院を守る会」を立ち上げ、署名活動を始めました。これに合わせて守る会では医療問題の専門家を招いた講演会を26日(土)に開き、地域内外から約140人が集まって病院の存続に向けた意見を交わしました。
県は県立病院の赤字改善に向けた経営改革として松代病院に現在39床ある入院機能を来年4月から十日町病院に統合し、外来診療科をそのまま維持した無床の診療所とする方針を5月に発表しました。
地域住民
「困ります。2か月に1回は利用しているが不安。松代病院なら10~15分で行けるけど、十日町病院は20~30分もかかる。交通手段が1番大変。十日町病院が悪いわけじゃないが、他人の病院に行く気がして心配」
こうした中、松代や松之山地域の住民有志約30人が病院の入院機能の存続を求め、「県立松代病院を守る会」を新たに立ち上げました。この日は会の活動開始を兼ねて専門家を招いた講演会を開き、地域内外から約140人が参加しました。講師は長岡赤十字病院の看護師長を勤めていた元県会議員の竹島良子さんです。
竹島さんは「医療へのアクセスは基本的人権で、これから15年間入院患者は増え続ける」と推計を示しながら話し、「採算重視ではなく地域の病院の役割と機能を発展させて、松代病院の回復期患者の受け入れなどを強化するべき」と訴えました。
竹島良子さん
「国が医療費を抑えようとしていることを転換をしない限り、私たちの健康は守れない。医療を受ける県民・住民が共同でみんなの意向で国を動かすことが大事。住民を守る立場の市町村や県がしっかり意見を言わないと国の流れはそのままになってしまう」
参加者
「県立病院の経営強化プランが令和6年3月に発表された。これを1年もしないうちになぜ手のひらを返したように変わってしまったのか。(県病院局の回答として)『病院局の人事を総入れ替えした』と。つまり経過を知らない幹部に変わったために変えたということ。その幹部が説明会で住民の話を聞いたら『正直分からない事がたくさんあり、今後十分検討しなければならない』と話したとも新聞に書いてあった。ひどすぎる。こんなやり方で松代病院を潰すことは絶対許されない、腹立たしい」
「十日町病院も赤字ですよね?黒字になることはないと思う。松代病院の診療所化は松代・松之山地域だけの問題ではなくて十日町全体。『今後十日町病院も松代病院のようになりますよ』って強く言わないと運動がうまくいかないのではないか」
竹島良子さん
「赤字赤字と県が前に出すと、『人の命は守らないつもりか』と言って返したい。人の命を守るには交付金も税金も、国のお金を入れないと、人も雇えません、機械も買えません、検査もできませんということを
皆さんで強く求めていきましょう。住民が一体になって、この地域にどういう医療がほしいか、この地域の医療を無くさないでということが一番大事。そのために知恵を働かせていきませんかという運動をすることが必要」
守る会では病院の入院機能の存続を求めて、知事と県病院局に提出する署名活動を進めています。署名活動は8月の中旬まで続けるとしていて、7月25日現在で松代・松之山地区の有権者約4000人のうち、すでに1700人ほどの署名が集まっているということです。
県立松代病院を守る会 村山繁一 会長
「松代病院がなくなる可能性は今までも何回もあったが、住民の力で跳ね返してきた。今回もなんとかして跳ね返せると思っている。若い人は診療所でいいんじゃないかという声もある。誰もが病院に行くものなので、自分の問題として考えてもらいたい」
なお県は9月に松代・松之山地区を対象に2回目の住民説明会を開きます。そのうえで松代病院の無床診療所化をめぐっては、12月の県議会定例会で条例改正案が提案される予定です。
Copyright (C) 2025 十日町タウン情報 All rights reserved.