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松代病院の無床診療所化 県病院局職員が市議会全員協議会に出席 方針を説明

2025年06月06日 15:29更新

県立松代病院の入院機能を令和8年度から十日町病院に統合し、外来を中心とした無床診療所にする県の方針について、県病院局の職員が十日町市議会全員協議会に4日(水)に出席し、今回の方針について詳しく説明しました。

県が発表した方針では松代病院に現在39床あるベッドを無床にし、令和8年4月1日から入院機能を十日町病院に移します。内科、整形外科、精神科をはじめ訪問診療、リハビリなどの外来診療科は基本的にそのまま維持するとしています。

また職員は現在常勤の医師が3人、看護師が31人、そのほかのスタッフが20人勤務していますが、移行後は外来診療科を維持できる形で、他の公立診療所を参考にしながら人員体制を検討するとしています。県によりますと病院事業会計の令和6年度決算では当初の見込みよりも2.7億円悪化して、46億円の赤字となっています。

また単年度収支を今年度中に26億円、来年度中に16億円改善しなければ内部留保資金の枯渇も目前に迫っていて、松代や十日町をはじめ、県内9つの病院の規模適正化を進めて20億円程度の改善を図るとしています。

この日開かれた十日町市議会の全員協議会には、県病院局経営企画課の田中秀明課長が出席して、松代病院の患者の利用状況や病院会計の状況を説明し、令和8年度から診療所とする方針について理解を求めました。

Q.市議
「地域で聞こえてくる話は『ベットを残してもらえないか』『半分でも残してもらえないか』という声。有床の診療所化は考えてもらえないか?」
A.県病院局 経営企画課 田中秀明 課長
「期待されるのは容態が急変したときの急性期の対応にあると思うが、その場合は有床診療所のベットではなく十日町病院や魚沼基幹病院へ救急搬送となる。そうした結果ベットがありながら使われない事態になる。急変した時の対応でいえば松代病院で救急患者の受入件数は非常に少ない。十日町病院では2000件超受けているが、松代病院では100件超ほど。助かる可能性がある場合は松代病院ではなく、十日町病院か魚沼基幹病院に運んでいるのが現実」

Q.市議
「休日・夜間診療所化は? 豪雪地帯でもあり、誰に診てもらうのかという不安が大きい」
A.県病院局 経営企画課 田中秀明 課長
「医師が近くに住んでいれば呼び出しで対応も可能だが、誰もいないとはいかない。そうした場合に看護師を夜勤で配置しなければいけないが、そうすると1人だけの配置も考えられない。夜勤ローテーション上最低14人の看護師が必要となる。その必要経費をはじき出すと削減できる経費が1億円程度に留まる。さらに困るのは『県の病院』には交付税措置されるが、『県の診療所』には交付税措置はされない。国は診療所は市町村が担う考えである。そうするといま県の一般会計から4億円繰り入れているが、全体経費で1億円減って3億円になっても交付税措置されなければ負担は変わらない」

Q.市議
「診療所になることで更に減収になった場合、『最終的には診療所もやめる』という心配が出てくる。その辺のラインの見通しは?」
A.県病院局 経営企画課 田中秀明 課長
「診療所化によって黒字になることは絶対にない。我々としては診療所化した場合、赤字になっても運営していく覚悟を持っている」

県では6月29日の午後1時30分から松之山公民館、午後4時から松代ふるさと会館で地域に向けた住民説明会を開く予定です。

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