2025年06月17日 17:10更新
関口市長が選挙公約に掲げていた笹山縄文広場整備の基本計画案がこのほど市議会に示されました。史跡指定地とその周辺を4つにゾーニングし、縄文時代の体験広場やガイダンス施設の設置などを優先しながら、令和21年度までに約16億円かけて段階的に整備していく方針です。
これは4日(水)に開かれた市議会総務文教常任委員会で示されました。基本計画案は文化財や観光の専門家、地域の代表などで構成する笹山縄文広場整備検討委員会が去年8月から今年2月までの6回の協議でまとめたものです。検討委員会では広場整備の方向性を明らかにするため、集客のターゲットを①30~40代の子育て世代、②日本文化に興味がある外国人、③縄文に強い関心を持っている人と順に設定しています。
そのうえで、現在市の史跡指定地になっている場所とその周辺を4つにゾーニングし、遺跡から出土した火焔型土器の国宝指定の周年ごとにあわせ、Ⅰ区を令和11年度(国宝指定30周年)、Ⅱ区・Ⅲ区を16年度(国宝指定35周年)、Ⅳ区を21年度(国宝指定35周年)にオープンと、段階的に整備を進めていく方針です。
現在の笹山縄文広場(Ⅰ区)
このうち現在、復元された竪穴住居があるI区をまず優先的に整備します。ここには旧市民スポーツハウスを改装した笹山縄文館がありますが、縄文の風景に馴染まない外観で老朽化も進んでいるため、広場の東側に遺跡の発掘調査や出土品について紹介するガイダンス施設を新たに設置するとしています。
ガイダンス施設 外観イメージ(想定)
また広場は縄文人も見ていた夕陽の眺めを楽しむことをメインとした様々な体験プログラムを行えるようにし、竪穴住居も円形に配置して環状集落を復元するようデザインするとしています。
ガイダンス施設と広場から見た 夕陽イメージ(想像)
広場鳥瞰 夕景のイメージ
一方、Ⅱ区は陸上競技場の西側に位置し、来場者の駐車場や縄文の森の整備。Ⅲ区は学術調査で発見された遺構としてそのまま公開する露出展示を検討するほか、Ⅳ区は東側にある里山部分で自然を生かした体験ができるよう散策路の整備などを行うとしています。
これらの概算事業費としてI区だけで10億9800万円、Ⅲ区までを含めると16億8800万円が示されています。説明を聞いた市議からは物価の高騰で事業費が膨れ上がらないか、また施設完成後の集客方法や採算性を指摘する質問などがあがりました。これに対し市は今年度、この計画案に基づいた基本設計に着手し、そこでより具体的な事業費に加え、交付金やクラウドファンディングを活用した財源の調達、施設完成後の収益などの試算も明らかにできると答えています。
この基本計画案は7月1日まで市がパブリックコメントで意見を集めていて、そのあと正式に策定される予定です。
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