2026年09月03日 14:04更新
生息域を急激に拡大している特定外来生物のチョウ「アカボシゴマダラ」や、大東山美術博物館に寄贈された刀「蛇切丸」についてなど、市民が携わった研究や調査の成果を発表する「つまり市民里山学会」が十日町市情報館で29日(土)に開かれました。
この催しは市民が草の根活動として行っている妻有地域の自然や文化、歴史についての研究や調査活動の成果を広く発信しようと、森の学校キョロロが毎年開いています。
16回目の今回は、松之山地域で60年以上特産品として作られながら、現在継承が危ぶまれている「野鳥こけし」について発信している福原なつきさんや、吉田地区で絶滅危惧種の淡水魚「シナイモツゴ」の保全に取り組む団体「里山笑躾」など、5組の個人・団体がステージに立ちました。
このうち、津南町を中心に希少動植物の調査や保全活動を行う元教員の涌井泰二さんは、全国的に生息域を拡大させている「アカボシゴマダラ」について調査した成果を発表しました。
アカボシゴマダラ
これは東アジアを原産とするタテハチョウ科のチョウで、在来種との競合など生態系への悪影響を理由に、2017年に特定外来生物に指定されています。
妻有地域では2014年に初めて松之山で生息が確認され、十日町市や栄村ではことしに入り、越冬幼虫やその可能性が高い個体が見つかり、今後さらなる生息数拡大が懸念されることが報告されました。
来場者
「どういう動植物がこの地域や国内にあって、外来生物はどんな影響があるのかは少なからず無関心ではいられないと感じた」
また、大棟山美術博物館の福原諭祐さんは松代・松之山地域の民話に登場する名刀「蛇切丸」を紹介しました。この刀が登場する伝承は松代の蒲生にあった蒲生が池、松之山浦田にある鼻毛の池、栄村にある野々海池の3つの池に関する民話です。
娘の結婚相手を探していた蒲生が池の主と、その縁談に反対する野々海池の主が争った際、蒲生が池の主が水梨の中屋に刀を借り受け、仲介役の鼻毛の池の主と共に7日7晩の戦いで勝利した際に使われたのが蛇切丸と伝わっています。
福原諭祐さん
「刀を貸した水梨の中屋の家の屋根には、蒲生が池の主に貸した宝剣が刺さっていた。その刀には龍の牙や骨が添えてあった。それ以降、中屋家ではこの宝刀を蛇切丸と称して大切に保存したと伝わっている」
水梨の中屋の子孫にあたる人が去年6月、この刀を大棟山美術博術館に寄贈しました。蛇切丸は刃渡り約67㎝の長さで、特徴として柄頭に龍の模様があります。
博物館では来年度に特別展を開いて刀を公開する予定で、蛇切丸や3つの池に関する資料や情報が寄せられるのを期待しています。
森の学校キョロロ 学芸員 坂上翼さん
「昔のことじゃなくて今に続いている。それは蛇切丸という刀が証左しているし、各池の姿も一緒に現代に残っているところでも、現在の自然環境にもつながっている演題でおもしろかった。今回情報を発信したことで、聞いた人から発表者に情報提供があるかもしれない。未来に情報のやり取りやコミュニケーションが続いていってほしい」
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