2025年11月17日 16:46更新
県立松代病院を来年度から無床診療所とする県の方針を巡って、12月の県議会で議論が始まるのを前に「県立松代病院を守る会」が反対集会を15日(土)に松代総合センターで開き、住民など約200人が参加しました。
県は県立病院の赤字改善に向けた経営改革の一環として、来年4月から松代病院を無床診療所にする方針を打ち出しています。また10月に開かれた魚沼圏域の医療構想を話し合う会議でも医師や行政関係者がこの方針を承認しています。
こうした動きに対し、県立松代病院を守る会では方針の撤回と入院機能の存続を求めて約1万6300筆あまりの署名を集め、県病院局に提出しています。
反対集会は12月の県議会で議論が始まるのを前に地元の団結力を高めようと開かれ、住民など約200人が集まりました。講演では松代病院に勤務する医師や看護師などが登壇し、県病院局の対応への批判や診療所になった場合の課題などを挙げ、へき地医療の急な体制変更に異議を唱えていました。
松代病院 小堺浩一 医師
「そもそも医療構想調整会議とは何なのか。病院や医師会や介護福祉士、地域住民などその地域の医療に関わる関係者間での協議の場であり、それ自体に医療機関に関する法的な決定権や強制力は無い。だから、この同意を持って診療所化が決定したと言うのは明らかな虚偽。県立病院の廃止と安価な無床診療所化という医療法上の変更計画に関して影響を与えうる機関は本来何があるのかと言うと、医療審議会。本来はこの医療審議会に調査・審議を委ねるべきではないか」
松代病院 小野塚多美子 看護師
「無床診療所になると入院できない、休日・夜間の対応ができない、検査もできないことが多いと、明らかに医療の質は下がる。病院局は十日町病院の当直医が対応すると答えているが、夜間・休日適切な対応をしてくれるのか。看取りが有れば来てくれるのか。この地域は『交通の便が悪い』とひと言で言い表せないほど特に冬季は住んでいる者しか分からない不便さがある」
松代病院患者サポートセンター職員 長野和明 さん
「顔が見える。ご家族にしても、先生や看護師が地域に出ているから顔が見えるし、何かあれば『すぐ連れてきて』とできる。そうなればケアマネジャーも訪問したときにおかしいと感じれば、すぐSOSが患者サポートセンターに入ってくる。それが十日町病院にできるかどうかと言われると、できないというか役割が違う。十日町病院がその役割を担うかと言われたらやはり違う」
集会の最後には、無償診療所化に反対し入院機能の存続などを求めて、最後まであきらめずに奮闘していくことを確認するアピール文を参加者全員で採択しました。
松代病院の無償診療所化が議案にあがる県議会定例会は12月2日(火)から始まります。
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