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坂口安吾が読者に宛てた直筆の書簡 遺族が見つけて松之山安吾の会に寄贈

2025年09月17日 17:18更新

読者の青年に寄り添い 温かい言葉をかける安吾

松之山地域にゆかりがある新潟市出身の小説家「坂口安吾」が、生前に一般の読者へ送った直筆の書簡が新たに見つかり、このほど松之山安吾の会に寄贈されました。会では書簡の複製を大棟山美術博物館で一般公開する考えです。

松之山安吾の会が寄贈を受けたのは、新潟市出身の小説家坂口安吾が生前に一般の読者へ送った非常に珍しい書簡です。書簡は昭和21年11月17日の日付で400字詰めの原稿用紙6枚に書かれていて、宛先は当時18歳の山本明さんという人でした。

手紙を受け取った18歳前後と思われる山本明さん

書簡には、安吾が山本さんの考え方に共感する文や、自身の執筆状況により、返信する内容を熟考できないことへの謝罪、そして、友情を受け取って欲しいという安吾の素直な思いが直筆でつづられています。

この書簡を寄贈したのは山本さんの遺族で、遺品整理を行っていた際に偶然見つけたということです。安吾の会が遺族に聞いた話では、大阪の商家で生まれた山本さんは実家の家業を継ぐか、夢にしていたドイツ言語学探求の道へ進むかを迷っていた時期で、同年に出版された安吾の「堕落論」や「白痴」に出会い、ファンとなって送った手紙の中で自信の進路などの悩みを打ち明けたのではないかということでした。

書簡を受け取った山本さんはその後、ドイツ言語学の道に進んで東京大学で定年まで教べんをとり、名誉教授の称号も受けたということで、遺族も山本さんの人生に安吾の存在は非常に大きく、多くの影響を受けていたのではないかと話していたということです。松之山安吾の会では今回寄贈された書簡の複製を大棟山美術博物館で一般公開する考えです。

松之山安吾の会 高橋主計 会長代理
「作家仲間や家族、友人でもない高校生にこれだけの内容の手紙を書いたのは、安吾がもらった手紙にそれだけ心打たれたからだと思う。松之山にこの書簡が寄贈されたのは会としても大きな財産になるし、大棟山美術博物館に公開して人が来てもらい、みんながファンになってくれてばいい」

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